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楽屋見舞いに喜ばれる 元役者がつくる「呼じろう」のいなりずし

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今日お話を伺ったのは、ここ、「呼じろう」さんです。

ちょっとした料亭か小料理屋さんのような落ちついた雰囲気ですねー。

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店主の徳永さん。お一人で営業されています。

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今日はよろしくお願いします。呼じろうさんは、いなりずしの専門店なんですよね?

徳永さん
珍しいでしょう。おいなりさんだけおいてる店っていうのは、東京でも数店しかない。

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メニューを見せていただくと・・・ほんとだ。

あるのは、おいなりさんだけで、何コ入りかを選ぶようになってます。

8コ入りを注文させてもらおう。

徳永さん
定番はゴマ4コとクルミ2コ。この2種類に、季節のものを2種類以上を組み合わせて出してる。いまなら桜海老や、あん肝だね。
(何コ入りでも、定番のゴマとクルミを中心に3〜4種類の詰め合わせ。季節によって、桜海老や、あん肝などが入るそうです)

※苦手なものがあったら注文時に言えば対応してくださるそうですよ。

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作り置きをされてませんけど、予約制なんですか?

徳永さん
予約制っていうかね、つくるのに時間もらうから、先に電話1本もらっとくと、その日その時間につくっておけるよ、っていうだけ。

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待ってる間、目の前でつくってもらえちゃうなんて、なんだか嬉しいです。

徳永さん
忙しい人はね、電話くれれば事前につくっとく。そうすれば15秒の買い物で済むでしょ。年配の方は、こちらが「ちょっと時間もらいますよ」って言うと、「時間だけはいくらでもあるんじゃ」ってね(笑) 10〜15分待つ間いろいろ話して帰ってく。身を乗り出して手元をじーっと眺めてる子どもには、手招きして近くで見せてやる。お客さんによって、接点のもち方が変わるんだよ。

「呼じろう」は徳永さんが独力で1年半前に立ち上げたお店ですが、その前身は5年半前に始めた西麻布のお店「呼きつね」。

青山で寿司店を営む知人と一緒に立ち上げ、ご飯を揚げで巻くスタイルや、食べやすい小さめのサイズにしようと決めたのは、この時だそうです。

徳永さん
うちに来たお客さんが従来とは違ういなり寿しのイメージをもってくれたら、成功かな。九州では、いなりは、うどんの付け合わせみたいなものだし、うちの親父とか年配の人に「いなりずし屋を始める」と言ったら、キョトンとしてた(笑) こういう店構えだから、最初のうちは「何の店? えっ、いなりずし?!」って驚くお客さんも多かったよ。

開店以来、雑誌やテレビの取材を受けることはあっても、広告費はゼロ。口コミだけで営業しているそうです。

その口コミには、徳永さんの過去が大いに役立っています。

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これは若い頃の徳永さんの写真。

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ウラには「ニューハーフ役」・・・

昔の写真を見るとカッコイイですが、当時ニューハーフの役をされてたんですね。フフフ。

そうです。徳永さんは、元役者さんなんです。

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こちらは撮影現場かな? 川谷拓三さん(左)に弟子入りしていたという徳永さん。

緒形拳さん(中央)と一緒にロケ生活をしたこともあります。『おろしや国 酔夢譚』という映画で、ロケの合間に緒形さんが書かれた自筆の書までいただいたそう。

「呼じろう」のいなりずしは、小さめサイズでパクパクと食べやすく、“楽屋見舞い”として持参するのに、もってこい。

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休む暇のない若い役者さんには箸がなくてもサッと食べられて、女優さんはメイクを崩さずに食べられる・・・

元役者さんならではの気遣いがつまった楽屋見舞いは、役者さんの間でとても好評なんだそうです。

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また、いなりずしを包むのに本物の(プラスチック製でない)竹皮や笹の葉を使っているのも、大きな特徴。

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徳永さんが子どもの頃から『子連れ狼』や『座頭市』といった時代劇で、竹皮に包んだ握りめしをおいしそうに食べるシーンを見てきたことがヒントになっています。

おいしそう」を大事にするところが、役者ならではですね。さらに、竹皮や笹を使うことで時間が経っても風味を損なわず、持ち帰りの形式にしっかりマッチしています。

徳永さん
どんなに急いでも1時間で27人前しかつくれない。忙しいときは朝4時から夜9時まで働きっぱなしだよ(笑) それでも、常連さんのなかにはここで食べたいという人もいるし、将来的にはうどんをセットにしてカウンター席でイートインできるようにすることも構想中。まだわからないけどね。まあ、一歩ずつですよ。

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開業前、徳永さんは長崎の兄が営む和食屋さんで4年間修行をして、和食の基本を学びました。

それもあって、九州の食材へのこだわりがあります。

揚げは熊本のもの。

これが普通の揚げのように袋状にならないことから、揚げをごはんに巻くスタイルが生まれました。

女性が喜ぶものをつくっていきたい」という徳永さん。「呼きつね」時代に、女優さんからもらって食べたという笑福亭鶴瓶さんが来店した時のことを思い出しながら言います。

徳永さん
「ここ、おいしいんや」って、わざわざ奥さんを連れてきてくれて。そういう奥さん思いの家庭がいいですね。

全国の女性のみなさん。

こう見えて徳永さん、独身なんですよ! もったいないと思いませんかっ?!

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↑緒形拳さんにいただいた書が店内に飾ってあるので要チェックです^^

ライター Sawa

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呼じろう
住所 南麻布1-3-13-1F
TEL 03 6809 6063
営業 午前10時~午後6時
定休日 月曜日

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